労災認定の運用課題と精神疾患の見落とし

職場での精神疾患が労災として認定されるケースは極めて少なく、過重労働やパワハラが原因であっても「業務上の原因」と証明するハードルが高すぎます。労働基準監督署の判断では、業務と発症の因果関係を「相当因果関係」と認定する基準が厳格であり、個人の素因や職場外のストレスを理由に却下されるケースが少なくありません。 現場では、労災認定を諦め、治療費を自己負担しながら療養を続ける人が後を絶ちません。認定が下りれば傷病手当金や医療費の保障が受けられますが、認定までの長期化と不確実性が、当事者の回復を妨げています。 私たちは、精神疾患を含む労災認定の審査基準の見直し、申請に際する証明負担の軽減、および認定までの生活・医療費を保障する「認定前セーフティネット」の創設を提案します。働く人が安心して治療に専念できる環境こそが、早期回復と職場復帰につながります。