障害年金制度の課題 ― 初診時の偶然で給付が分かれる構造
障害年金は、働く力を失ったことに対する社会保険としての補償です。ところが現実には、障害基礎年金には1級・2級しかなく、厚生年金にある3級(就労は可能だが制限がある状態への補填)に相当する等級がありません。
このため、初診の時点でたまたま国民健康保険だった人――学生だった、体調を崩して退職し国保に移った直後だった――は、就労に制限が残る状態でも障害基礎年金の対象とならず、補填を受けられない場合があります。本人の困窮の度合いではなく、初診時にどの制度に加入していたかという偶然で給付が分かれるのは、制度の趣旨に照らして公平とは言いがたいと私たちは考えます。
さらに、等級に応じた障害年金の給付水準が生活保護の水準に届かず、結果的に生活保護で暮らさざるを得ない方が多くいます。まじめに保険料を納め続けた人の老後と、最後のセーフティネットである生活保護がほぼ同水準にあるのは、制度設計の失敗にほかなりません。
私たちは、障害基礎年金に3級相当の等級を創設し、就労に制限のある状態への補填を公平に行う制度改定を提案します。また、基礎年金の給付水準の底上げと、年金見込額の「見える化」教育の充実を求めます。
